“トタン屋根”のメリットとデメリット。特徴と施工方法、注意点をご紹介
トタン屋根とは
屋根は、真夏の直射日光・台風の暴風雨・冬場の冷気や雪などの自然現象から、家の中で暮らす私たちを守るという重要な役割があります。
大雨や台風により劣化が進行し、雨漏りが発生したことによって初めて「屋根が傷んでいたんだ…」と気づく方が多いと思います。
自然災害などが原因となって突如発生してしまう場合があるので予測もできず悩まれる方も少なくないといえます。
なかでも今回は屋根の種類も多々ありますが屋根素材のひとつである「トタン屋根」についていくつか解説いたします。
トタンは緩勾配の屋根や雪下ろしが必要な寒冷地で使用されることが多い屋根材です。
鉄板を亜鉛メッキで覆ったもので高度経済成長期に屋根材としてよく採用されていました。今でも古い建物に使われているのを目にすることが多いので、
「昔の屋根」というイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか。
まずはトタン屋根のメリットとデメリットから見てみましょう。
トタン屋根のメリット
- 材料費、施工費が安い
- 軽量で建物への負担が少ないので地震などの揺れに強い
- 耐震性が高い
- 緩勾配(角度が緩い)の屋根に使用することができる
トタン屋根のデメリット
- 断熱性が低いので太陽光の熱を室内に伝えてしまいやすい
- 遮音性が低く、雨音が伝わりやすい
- 亜鉛メッキが劣化することでサビやすい
- 定期的なメンテナンスが必要
なじみのあるトタンですが、このようなメリットやデメリットといった特徴があるということを覚えておきましょう。
トタン屋根の施工
ではトタン屋根はどのように施工されているのでしょうか。
例えば瓦屋根の場合、60平米の面積の屋根には約1,000枚の瓦が載っています。
トタン屋根は屋根の棟(屋根の頂点)から軒天までを一枚のトタンで覆っているので、棟から軒先まで隙間なく屋根材が敷かれているのが大きな違いと言えるでしょう。
野地板・防水紙(ルーフィング)・トタン屋根の三層構造で、一次防水として屋根材が雨水の浸入を防ぎ、万が一屋根材の下に雨水が入り込んでも二次防水として防水紙が雨水を最終的に建物内部に入り込むことを防いでいます。
つまり屋根材であるトタン部分から雨水が浸入しても、防水紙が最後の砦となって、結果的に雨水の浸入を防いでいるため雨漏りには至らないような構造となっているのです。
(経年劣化による破れなどからいつまでも完璧に雨漏りを防いでくれるわけではありません。)
屋根材であるトタン自体は「新築の頃より塗料が剥げて色が変わってきてるな」「錆が出てきているな」など、その外観により劣化症状を把握することは出来ますが、防水紙の劣化は直接目視で確認することはできません。
確認するためには屋根裏から野地板の裏側を見て「雨染みの有無」を確認してみることです。
トタン屋根の塗装に関する注意点
1.サビ対策をチェック
ケレンや高圧洗浄などでしっかりとサビを除去すること、そしてサビが進行しないようにサビ止め入りの下塗り材を塗布することです。
これらの対策をきちんとおこなっていないと早い劣化につながってしまいます。
2.状態によっては葺き替えになる可能性あり
サビや劣化がひどい場合は塗装をしても意味がありませんので塗装ではなく葺き替えリフォームが必要な場合もあります。
3.ガルバリウム鋼板への変更も視野に入れる
トタン屋根は耐久性に低い素材のため、定期的な補修の手間を考慮して別の素材に変えてみるのもよいでしょう。
トタンと同じく安価で軽量なうえ、トタンよりもサビにくく、耐用年数が長いといったメリットがあります。
トタン屋根は費用を抑えられる半面、サビや劣化が進行しやすいため、早めの対処が必要不可欠です。定期的にメンテナンスをして長持ちさせましょう。