“雨仕舞い”とは?|実は重要な施工方法!

正しく知ってほしい施工方法”雨仕舞い”とは

雨漏りが起こる原因はたくさんありますがよくある場所がやはり屋根になります。
屋根の隙間、屋根材の割れや部品の飛散などは実際に目にすることが少ないので屋根に登らないとわからない場合があります

さて、屋根から雨漏りが起きる原因として“雨仕舞いの基本が守られていない”ことがあげられます。

【雨仕舞い】。初めて耳にされた方も多いんではないでしょうか?

雨仕舞いとは「家の中に雨水が入らないようにする施工方法」と言えばご理解いただけるかと思います。
雨仕舞いの「仕舞い」とは、仕舞うですが、この意味は、「終わらせる」「片付ける」「始末する」などがあります。
つまり住宅に降り注ぐ雨水を片付けるという事です。

そんな雨仕舞いの基本として、例えば、瓦屋根と壁の取り合い部分には、捨て水切りと呼ばれる板金があります。

■捨て水切りとは■

壁との取り合いで屋根材の割付が上手くいかない場合や、屋根材だけでは雨漏りがしやすい場所に、屋根材の下につける水切りのこと
これが適切に設置されていないと、浸入した雨水を排出することができません。
横殴りの激しい雨の場合など、屋根材の下に雨水が入り込んで壁内に雨水が浸入します。

https://www.yanesoudan.net/reform/roof/post-91.html

また、透湿防水シートの施工位置が間違っていても、雨水は浸入します。例えば、下地材と透湿防水シートの間には隙間がありますが、雨仕舞いがしっかりしていないと、雨が降るたびに隙間に水が浸入し、木部を濡らすことになります。

また、透湿防水シートの重ね順も重要です。重ね順を間違うと、サイディングからの浸水は防げるけれど、取り合い部分からの浸水に対しては効果がなくなることがあります。
正しくは、際垂木(壁と接する下屋の端の垂木)を施工する前に外壁下地に先張りシートを留め付けます。

その上から透湿防水シートを貼っていきますが、水の流れを考えて壁内部に浸入させないようにします。先張りシートも下部は固定せず、下から透湿防水シートを潜り込ませます。
こうすることで、構造上壁内部に浸水しない雨仕舞いができあがります。

雨漏り対策には、雨水を排水する性能が重要

住宅にとって、雨水の処理は雨仕舞いが最重要です。
防水処理の劣化具合も雨仕舞いの施工で大きく変わってくると言えるのです。とすれば、雨漏りの原因が雨仕舞いの不具合が多い事も納得されるかと思います。

最近多くなっているケースで、軒の出が無い住宅や、デザイン、コスト重視の住宅などが増えてきて、雨仕舞いの能力以上の負荷を受けている住宅や雨仕舞いの仕組みをきちんと考えていない住宅も少なからず存在しているのが実情です。
きちんと調べておくこと、定期的なメンテナンスが大事であると言えます。