実は「雨漏りではない」場合も!雨漏り以外の天井のシミやカビの原因について

雨漏り以外の天井のシミやカビの原因

天井のシミやカビの原因といえば、雨漏りが代表的ですが、実は雨漏り以外にもあります。
専門でもない限り一般の方に雨漏りか、そうでないかを判断するのは非常に難しい事だと思います。

今回は調べてみると原因は雨漏りではなかった代表的な3つの例をお話していきたいと思います。

1.屋根裏の結露

まず結露の原因として「天井のシミ」というテーマに絞って”断熱”の基礎知識を説明します。

天井断熱

天井裏の位置に施工。天井の仕上げ材のすぐ真上に断熱材が入っています。天井断熱の断熱材にはグラスウールやロックウールが一般的に使われています。
また、セルロースファイバーやその他繊維系の断熱材を使用している方法もあります。文字通り天井で断熱を目的とするのが天井断熱でこちらは一般的だといわれています。

屋根断熱

屋根下地の野地板の位置に施工。屋根の勾配に沿って断熱材を入れているのです。
断熱方法には、充填断熱と外張り断熱があり、断熱材には充填断熱であれば、グラスウールやロックウール、セルロースファイバーなど繊維系の断熱材で、外張り断熱であれば発砲プラスチック系の断熱材になります。文字通り屋根で断熱を目的とします。

ではそれぞれの「天井のシミ」について説明していきます。

天井断熱の結露

室内で暖められた空気が上昇し、天井を抜けて小屋裏(屋根裏)に到達します。
小屋裏は、外気の影響を受けて冷えているので、湿った空気が小屋裏の金属等に冷やされて水蒸気となり、金属などの表面で水滴となって天井裏に落ちる事でシミとなります。

屋根断熱の結露

湿った空気が小屋裏の屋根断熱まで達すると、外部の屋根材に冷やされる事で野地板と断熱材の間で結露をおこします。
やはり、野地裏の水滴が天井裏に落ちる事でシミになります。

2.小動物の糞尿

ネズミなど、小動物の糞尿が天井のシミになって表れる可能性があります。
床下の通気口もしくは屋根の継ぎ目に穴が空いていた事が原因で家屋侵入被害にあう例です。
そういった穴は経年劣化等によるものと考えられます。
ハクビシン、イタチ等の頭骨の大きさは大人の握りこぶし一個分といわれており、頭が通る程度の穴が空いていれば小動物は体ごとねじ込んで侵入してしまいます。
一度侵入されてしまうと天井裏をねぐらとします。そこで小動物は生活し、春先には子育てを始めます。
事態が深刻化すると天井から糞尿が染み出てきて部屋に悪臭が充満し、最後には腐って抜けてしまったという例もあります。

3.すが漏り

「すが」とは仙台などの東北地方の方言で「氷」という意味です。氷や雪が屋根に積もり、そこから水漏れが起こる現象を指します。
つまり屋根の構造そのものに問題なく発生するということです。
屋根に積もった雪や氷が屋根裏からの熱により解け出し、溶けた水が軒先のところで凍ることで堰となり、水の流れが滞り建物内部へと水が侵入するのです。
すが漏りは、寒冷地の冬の一番多い家のトラブルになります。

天井にシミがあった場合、雨漏りか結露かを確認する方法

天井にシミがあった場合、屋根の雨漏りであるか、そうでないかを確認するには小屋裏を目視することで確認できます。
小屋裏を目視するためには点検口が必要であり、既存の点検口が無ければ新たに設置する必要があります。
点検口を新設する場合は、出来るだけシミのある位置に近い方が確認が取りやすいです。押入れなどの天井に設け、目立たない様にするのもよいでしょう。
降雨の強い日、点検口から屋根裏を確認し、野地裏や垂木・天井材に雨水のシミが無いか確認します。
この手の検証は、プロでなくても分かりやすく確認を取れる方法です。
ただし、プロが行う屋根裏に実際に入る事に比べると、全体が見えにくく正確な判断ができないこともありますので自信がない場合は依頼するのもよいでしょう。

如何でしょうか。

このように、ぱっと見は雨漏りの症状でも、実は違う現象という場合もあります。ご参考までに、よくある雨漏りに似た症状の「漏水」の記事もありますので、是非併せてご覧ください。